「積立投資のコツ」とは!?

 以下のグラフは、各パターンにおける、一月当たりの購入数量です。各月にどれくらい購入できたかを示しています。

 最も多かった月で、「上昇継続パターン」は約0.9グラム(取引初月のみ)、「下落後 回復パターン」は約1.3グラム(真ん中の10年間)、「低迷後 反発パターン」が約3.9グラム(最初の20年間)でした。

図:積み立てシミュレーション(4)(一月当たりの購入数量) 単位:グラム

積立シミュレーション(4)(一月あたりの購入数量) 単位:グラム
出所:筆者作成

 毎月の投資額(積立設定額)が変わらなければ、市場価格の絶対値が低ければ低いほど、その月に購入できる量は増えます。単純計算(手数料などを考慮せず)で、毎月の投資額が1万円だったとして、市場価格が1万円の場合に購入できる数量は1グラムです。市場価格がその半値の5,000円の場合に購入できる数量は倍の2グラムです。

 取引の最終日には、こうして積み上げられた保有数量とその時の市場価格を掛け合わせて、最終的な資産の額を計算します。保有数量が数倍になっていれば、最終的に行う掛け算が大幅に有利になります。

 このシミュレーションが示唆する「積立投資のコツ」とは、取引期間中は市場価格の「下落・低迷」を利用して保有数量をできるだけ増やし、取引終盤の市場価格の反発を利用して積み上げた保有数量をできるだけ大きな資産に変えていく、ということです。

 言い換えれば、積立投資の最中は市場価格の「下落・低迷」を恐れずに受け入れること、そして銘柄選定の際は、今、できるだけ安く、今後、長期視点で価格反発が起き得る銘柄を選ぶこと、と言えます。

図:積み立てシミュレーション(5)(まとめ)

出所:筆者作成