超節約と投資を続け、資産8億円&年間配当2,000万円を達成した「御発注さん」にインタビュー。信用取引で5株購入のはずが500株を「誤発注」で購入! 口座管理画面を見て青ざめた御発注さんがすぐさま行ったことは?!
▼御発注さんプロフィール

御発注さん、波乱&怒涛の投資年表

「人生オワタ…」信用取引で4,000万円超えの買い注文を「誤発注」
トウシル:著書を拝読して最も驚愕(きょうがく)したのが「約4,000万円の誤発注」事件のくだりです。読んでいて背筋がゾワゾワしたのですが、これはいったい…。なんでそんなことになったんでしょうか?
御発注さん:あれは本当に「人生終わった」と思いました(苦笑)。当時(2010年)は、株式の購入単位が100株で統一されていなかったので、SANKO MARKETING FOODS(2762)の株主優待を最大限ゲットするために、深夜0時を回った頃、信用取引で「5株」、成り行きで買い注文を出したつもりでいました。
その日の会社の休憩時間にもう一度株価を見ると、+9.7%上昇して喜んだのですが、「何かおかしい…」と思って自分の口座管理画面を見ると、「5株」ではなく「500株」、誤発注していたんです。

トウシル:信用取引で、ですよね? わ、わァ…。
御発注さん:一瞬、画面のバグかと思いましたが、自分のミスで4,235万円も買ってしまっていたんです。信用評価損益はマイナス約270万円。今まで見たことがない「このままだと追証が発生します」というアラートも画面に出現していました…。
トウシル:誤発注に気付いた後、まず何をしたか教えてください…。
御発注さん:手が震えてきてその場にいられなくなり、会社のトイレに逃げ込みました。これまで、爪に火を灯すような超節約術も無駄になったと思うと、自分に対する怒りが込み上げてきて、自分の顔を全力で2、3回殴りました(笑)。
しかし、そのままボーっとしていても仕方ないと思い、「追証にならないためにはどうすればよいのか」をすぐに考えました。
トウシル:そこで頭を切り替えられるのはすごいです! 相当強い力で顔を殴ったんだなと察します(笑)。
御発注さん:自分への怒りを全てぶつけました(笑)。とにかく二次被害を最小にするために、その日のうちに半分の250株はなんとか売って処分できました。が、翌日以降は一気に取引量が少なくなり、売却自体、できなくなりました。
トウシル:まだ半分です。
御発注さん:はい。残った株を持ち続けていいかどうかを確認するために、SANKO MARKETING FOODSのIRに電話して、業績を詳しくヒアリングしてみたところ、特に経営や収益性には問題がなさそうだったんです。
基本的に優待銘柄は、権利確定日に向けて株価が上がり、権利落ち後に株価がガクンと下がるのがセオリーです。SANKO MARKETING FOODSも優待銘柄で、12月が権利確定月だったので、誤発注した7月以降、12月にかけて徐々に値上がりする、と予想し、少しずつ売っていこうと考えました。
予想通り12月に向けて株価は上昇したので、それに合わせて少しずつ売っていき、株主優待のための5株だけ残し、最終的な損失は200万円ほどに抑えることができました…。
トウシル:うわー。聞いているだけでハラハラしました。この一件で学んだことを教えてください。
御発注さん:まずは、自分がしたい注文どおりになっているか、画面に向かって指さし確認をするようにしました。これ、けっこうよくて、本業の会社勤めでもミスが減ったんですよ。お勧めです。
さらに、「これだけリスクを恐れても損するときは損するんだったら、逆にこれからはリスクを取っていこう!」と投資スタイルも少し変わりました。
「また誤発注したら、株式投資に向いていないってことだから、今度やったらもう株はやめよう」と思っていて、この決意を胸に刻み込むためにハンドルネームを「御発注」に変更しました。結果的に皆さんに興味を持ってもらえて、取材依頼も来るようになり、元は取れたような気がします(笑)。
トウシル:教訓をハンドルネームに刻んで、雄々しく前を向かれたのですね。強いメンタルです。
1週間で会社勤めがイヤになり、「超節約ライフ」を開始
トウシル:ところで御発注さんは、書籍やXを見ると、最初は「投資」ではなく「超節約術」で貯金に励んでいたとのことですが、貯金から投資へ移行したきっかけは何だったのでしょうか?
御発注さん:社会人になって1週間で、社会から逃れたくなったことがきっかけです。
トウシル:1週間…。早!
御発注さん:はい(笑)。毎朝決まった時間に会社へ行くという時点でもうイヤになりました。でも、会社を辞めても、国民年金や税金を払わなきゃいけない仕組みが出来上がっている。僕たちは日本政府に「労働」を強要されているんだ、ということに気づきました。そこで、できる限り支出を減らし、少しでも早くお金を貯めて会社を辞めよう!と決意したんです。
トウシル:ただ、著書を読むと、なかなか極端な節約も実践されていたようで、正直ちょっとドン引きしています。医療費を節約するために、麻酔なしで歯の治療を決行したんですって?
御発注さん:社会人2年目くらいの頃ですね。「お金を使うことは悪だ」と思っていたので、歯医者で治療をする際に、最低料金で済ませるために、麻酔ナシで歯を削ってもらいました。医者からは「本当にいいんですね?」と2回くらい確認されましたが、「大丈夫です」と言いはって治療を受けたら…めちゃくちゃ痛かったです…。
トウシル:そりゃそうですよ…。ちなみに、それでいくら節約できたんですか?
御発注さん:たったの180円でした…。
トウシル:それは…切ないですね…。
御発注さん:あとは、リーマンショックで投資資産が元本割れしてしまった時、会社から賞味期限切れの乾パンをもらって、6カ月ほどそればかりを食べ続けた時期があります。
給料を全部、投資に回したくて、食費を削るために乾パンを食べ続けたんですが、めちゃくちゃ辛かったですね…。味が単調すぎるし、口がとてつもなく乾くんですよ! 乾パンと一緒に入っていた角砂糖をかじると、一気に唾液が出て「助かった!」と思っていました(笑)。
途中からはスープにふやかして食べるとおいしくなることに気づき、「これで災害があっても大丈夫だ!」と思えるようになりました。
トウシル:御発注さんは、やることが極端です(笑)。
御発注さん:あ、でも普通のポイ活&株主優待の組み合わせ、みたいな正攻法もたくさん知ってますよ。
コロナ禍で「Go To Eatキャンペーン」が開催されていた時は、ポイントサイトや株主優待と組み合わせて、支払った分以上のポイントをゲットして「勝った!」と悦に入っていました。「これで食料問題は解決された!」と舞い上がっていたんですが、調子にのって外食ばかりしていたら、健康診断で「内臓に問題がある」と診断され、反省したこともあります。
トウシル:御発注さんはご結婚されていますが、奥さまはそんな節約生活に対して文句は言わないんですか?
御発注さん:結婚前のデートは、たいてい優待で一緒に外食を楽しんでいました。ただ、一人暮らし時代に家に遊びに来た時、具のない焼きそばを出したら、さすがにクレームが(笑)。
でも、結婚してからはやっぱり変わりましたよ。子供がいるんですが、成功も失敗も含めて、いろんな経験を積むことが大切だと思っているので、昔の僕レベルの節約を家族に強制したりはしていません。でも、僕的にコスパが悪すぎて本当に無駄だ、と思うことは、子供と真剣に交渉してやめてもらっています。
節約は、無理せず緩くても長く続けることが大切
トウシル:御発注さんは節約で投資の元手となる資金を貯められましたが、なかなか節約が続かない人も多いと思います。節約を続けるためのコツを教えてください!
御発注さん:まずは金額が大きいものから節約すべきだと思います。まず僕は社宅に住んでいたんですが、月額なんと3,000円でした。その後も妻の実家に同居するなどして、人生でまともに「家賃」を払ったことがないんです。
これは大きいです。あと、携帯のキャリアは毎年乗り換えて、乗り換えでもらえるポイントなどをゲットして通信費を抑えています。つまり、金額が高いものや、毎月継続してかかる費用をメインに節約をしていました。
トウシル:家賃と通信費は確かに家計を圧迫する固定費ですね。それらを抑えられるだけでも出費が減りそうです。
御発注さん:昔の僕ほど極端なことをする必要はなくて、少額でもいいので、とにかく節約を継続することが大切です。麻酔ナシでの歯医者治療や乾パン生活は、「どこまでやれるかやってみよう」的なチャレンジで、いったん極限までやり切ったので納得がいきました。今は無駄な出費をしない、ということを緩く、長く、心がけているレベルです。
トウシル:ほっとしました(笑)。
トウシル:8億円の資産、年間配当金2,000万円を構築するには、緩い節約の継続がベースにあるんですね。後編では、いよいよ投資編。御発注さんの投資テクニックやおすすめの株主優待銘柄、会社員投資家の魅力などを伺います!
優待と高配当投資で資産8億円、それでも僕が会社員を辞めないワケ:御発注さんインタビュー[後編]へ続く>>
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