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FIREのつもりが「ニート」扱い …父から娘に伝えたいお金と人生の話:サラリーマン投資家・東山一悟さんインタビュー前編

NEW 2025/6/15

 資産2億円でFIREのつもりが、1日中家にいる父を、15歳の娘は「ニート」だと思っていて…。父の威厳復活のために書いた書籍『投資で2億稼いだ社畜のぼくが15歳の娘に伝えたい29の真実』が話題の東山一悟さんにインタビュー。

目次
  1. 15歳の娘の衝撃発言「大人になったらニートになりたい」
  2. 最初の投資は「推し銘柄」!フィーリングで資産2,000万円へ
  3. 天国から地獄へ…FXで資産が4分の1に激減
  4. 娘の誕生と遺産相続を機に、再び投資の世界へ

東山一悟(とおやま・いちご)さんプロフィール

「投資で2億稼いだ社畜のぼくが15歳の娘に伝えたい29の真実」の書影
1969年生まれ。1991年に大手メディアへ入社。29年間の勤務を経て2020年に早期退職する。在職中から株式投資を始め、FXで資産を1/4に減らす大失敗を経験するも、その後インデックス投資を中心に資産を拡大。勤務先の大企業からリストラされるも、現在は再就職し、サイドFIREの形で趣味的に会社員も続けている。「投資で2億稼いだ社畜のぼくが15歳の娘に伝えたい29の真実」/2025年01月27日発売/東山一悟(著)/JTBパブリッシング/1,760円(税込)

東山一悟さん人生&投資年表

1991年(22歳):大手メディアに入社
1998年(29歳):東京へ転勤。日本版金融ビッグバンを機に300万円で投資を開始
2001年(32歳):結婚
2007年ごろ(38歳):資産2,000万円達成も、FXで失敗し、資産が約500万円に激減、一度退場
2009年(40歳):長女誕生
2011年ごろ(42歳):父親の遺産で株式を相続。2度目の投資はインデックス投資が中心
2017年(48歳):自宅購入
2020年(51歳):その3年後にリストラ勧告にあう。退職金を元手に投資に注力。コロナショック後の上昇相場に乗り資産を拡大。同年、娘に「ニート」だと思われていたことにショックを受け、メディア企業に再就職
2024年(55歳):資産2億円を達成

15歳の娘の衝撃発言「大人になったらニートになりたい」

トウシル:資産が2億円近くあるのに、51歳で再就職をされたと書籍にありました。今日もお仕事を終えて取材場所まで来てくださったのですが、なぜ資産があるのに会社員に戻られたのですか?

東山さん:書籍を書くきっかけにもなったのですが、娘が学校の作文で「大人になったらニートになりたい」と書いたんです。前職をリストラされたばかりだったのと、コロナ禍で外出自粛が続いていたので、私は日中ほとんど自宅にいて、ゲームやネットサーフィンをしていたんですが、娘からは、「お父さんは何もしていない=ニートだ」と思えたんでしょうね。

トウシル:それは…なかなかショックですね…。

東山さん:はい(笑)。これまでの人生、いっしょうけんめい働いてきたことも説明したんですが、心情は悲しくもあり、情けなくもあり…。「今のまま、働かない父の背中を見せるのはちょっとまずいな…」と危機感を覚えました。

 今は、前職で培った知見を生かせる職場で、趣味的に緩やかに働いています。いわば「サイドFIRE」ですね。もし娘のニート発言がなければ、多分再就職はしなかったと思います。

トウシル:今でこそ資産2億円ですが、最初からお持ちだったわけではありませんよね。投資を始められたきっかけは何だったのでしょうか?

東山さん:投資を始めたのは1998年です。大卒で大手メディアに入社したんですが、一時期、長野支局にいまして、その頃はとにかく仕事が忙しくて、資産運用どころか銀行残高すら全く把握していない状態でした。

 しかし、1998年に東京に戻ってきたら、長野時代はなかなか取れなかった代休が取れるようになるなど、時間的に余裕が出てきたんです。

 そしてちょうどこの頃「日本版ビッグバン」(金融市場の活性化を図る改革)という言葉が流行しており、資産運用について少し興味を持ち始めていました。時間もあるし、せっかくなのでやってみようと思うようになり、東京駅の前にあった野村証券で証券口座を開いてみることにしたのがきっかけです。

トウシル:元手資金はどれくらいで始められたんですか?

東山さん:長野時代は無駄遣いもしてなかったので、銀行口座にあった300万円程度を使いました。定期預金に預けるのはもったいない、というくらいの軽い動機です。

トウシル:当時はまだ投資が一般的ではなく、あまり日常会話の中で資産運用の話題が出ないような時代だったと思います。身近な方に相談はされたのでしょうか?

東山さん:いえいえ。おっしゃる通り、まだまだ一般的には「投資=ギャンブル」という雰囲気でしたので、友人に「株買うよ」なんて言えませんでしたよ。

 ただ、私は両親が日本株投資をやっており、自宅に会社四季報が置いてあるような環境で育ったので、投資に対する心理的なハードルはそう高くなかったのもよかったのかもしれません。誰にも言わず、それこそ妻にも言わず、自分一人でこっそり始めました。

最初の投資は「推し銘柄」!フィーリングで資産2,000万円へ

トウシル:最初はどのような基準で銘柄を選んだのでしょうか? ご両親のオススメがあったとか?

東山さん:いえ、当時はこれといった基準が全くなくて(笑)。最初に買った株はフジテレビジョン(現フジ・メディア・ホールディングス:4676)です。当時「踊る大捜査線」というドラマが大ヒットしてたので、単純に「こんなにヒットしてるんだったら、きっともうかってるんだろう」と思ったんですよね。

トウシル:結構ミーハーな理由ですね(笑)。

東山さん:はい(笑)。あとは「ファイナルファンタジー」というゲームが好きだったので、スクウェア(現:スクウェア・エニックス・ホールディングス:9684)も買いました。どちらも自分の身近な商品やサービスで、いいなと思う銘柄に投資した、という感じですね。その後は欧州の投信や外貨預金にも手を出しました。

トウシル:いわゆる「推し活投資」ですね。一方で、欧州の投信や外貨預金は、推し活とは少し毛色が違うように感じますが…。

東山さん:当時いろんな雑誌で「投資先は日本だけじゃよくないよ」と書かれていたんですよ。FXが出てきて外国へ投資しやすくなった時期でしたが、今ほど米国株や欧州株は買いやすくなかったので、比較的買いやすい欧州の投信と、ドルの外貨預金という形で地域を分散しました。もう少し後には「アジアの時代だ」と言われて中国株の投信を買ったりもしています。

トウシル:当初から分散投資は意識されていたんですね。

東山さん:分散投資という言葉で認識していたかは定かではありませんが。当時は『SPA!』や『BIG tomorrow』など、若いサラリーマン向けの雑誌を読んでおり、その中で「日本だけじゃなくて外貨預金にも投資しよう」みたいな記事を読んだ記憶があります。

トウシル:口座にあった300万円は全額投資に?

東山さん:ほぼ全額ですね。生活防衛資金という考えもなくて、「口座に300万円あって使ってないなら入れちゃえ」という感覚。あとは月給で暮らしていこう、と思っていました。

トウシル:資産に対する執着が、かなり少ないように思えます。

東山さん:実は、長野時代は、給料が地銀に振り込まれていたんですが、東京にはその銀行の支店がほとんどなくて口座を解約したんです。その時に300万円が手元に来たという事情もあり、臨時収入のような感覚だったのかもしれません。「まとまったお金が出てきちゃったけど、どうしよう」という感じでしたね。

トウシル:そこから順調に資産を積み重ねて、38歳の時点で2,000万円まで増やしたそうですが、この間の投資スタイルは?

東山さん:基本的には日本株を購入していました。相変わらず銘柄はフィーリングで決めていましたね。例えばソフトバンク(現:ソフトバンクグループ:9984)でしたが、孫正義さんの講演を聞いて「この人は先見の明がある。すごい!」と思って買いました。

 丸紅(8002)も、本社が当時の勤め先の近くにあって、夜遅くまで皆さんが働いていて、深夜でも社屋の前にタクシーがずらっと並んでいるのを見て「こんなに一生懸命働いてる大商社が潰れるわけないだろう」と。

 あとは36歳で札幌に転勤になった関係で、航空会社の株主優待を使おうと思い、日本航空(9201) を買ったこともあります。この頃は本当にバリュエーションを調べもせずに、気になる銘柄を買うスタイルでした。

トウシル:しかし、今の成長企業や安定セクターを押さえています。結果的には素晴らしい選択ですね!

東山さん:いやあ、今思えば本当に運が良かったんですよ。日本航空は値上がりした後に、2008年に札幌からまた東京に転勤になった時に売却したんですが、その後、破綻したじゃないですか。ずっと持っていたら大損でしたから、何かと運に助けられていたと思います。

トウシル:大きなトラブルに遭わずに2,000万円まで増やせたのはすごいと思います。売却する時は、思い切りよく手放せるタイプですか?「もう少し持っていたら…」といった未練は?

東山さん:結構スパッと手放しちゃいましたね。日本航空を売ったのは、転勤で優待を使えなくなったからだし、フジテレビを売ったのは、ドラマがあまり面白くなくなってきたからです(笑)。逆にスクウェアは特に売る理由がなかったので、リーマンショックの後まで持っていましたね。

トウシル:追加投資は年間どれくらいされていたんですか?

東山さん:詳しく計算していなかったのですが、恐らくは年間100万円前後じゃないかと思います。日常生活は月給の範囲で賄い、使い切れない分やボーナスは投資に回していました。預貯金は本当に少なくて、30代半ばでボーナスなどを合わせて100万円程度の入金力です。まだ本格的な投資とは言えないですね。

天国から地獄へ…FXで資産が4分の1に激減

トウシル:2,000万円まで資産が増えたところで、FXに挑戦されたと著書にあります。なぜまたFXを?

東山さん:これも雑誌の影響なんですよ(笑)。会議のために札幌から東京へ向かう飛行機の中で読んだ週刊誌で「FXでもうけた主婦が●億円を脱税!」みたいな記事を興味本位で読んで、「主婦の方でも億単位で稼げるなら、自分ならもっといけるだろう」と思っちゃったんですよ。

 自分は投資で成果も出しているし、社会人として働いていて社会や経済の動きも知っているから、勝てるんじゃないかと安易に思い込んじゃいました。そうしたら翌年のリーマンショックによる個別株の下落も相まって、一気にやられてしまって。気がついたら2,000万円が500万円まで減っていました。

トウシル:うわー。ほぼ振り出しに戻っちゃいましたね…。当時はどのようなお気持ちだったんでしょうか。

東山さん:もうショックとしか言いようがなくて、損失の事実を意識の外に置いてしまった感じです。「口座は見ない、見ない、見ない」と。自分の心を守る防御本能が働いていたのかもしれません。

トウシル:もう投資なんかしない、と…。

東山さん:そうそう。「自分の人生に投資はなかったことにしよう」くらい考えていました。一時はFXの負けを取り返そうと、家族の定期預金を取り崩そうとまで考えました。

 妻もその定期のことは知っていたので、さすがにそこまでやったら家族関係が壊れると思い、FXからは完全に撤退。株式は放置したまま投資を辞めることにしたんです。証券会社の口座は3年くらいログインもしないで放置していました。

トウシル:資産が激減したことで、奥さまに態度で気づかれたりしませんでしたか?
 

東山さん:実は、FXで損した時は札幌に単身赴任中だったのが幸いしました。もちろん定期的に会ってはいたのですが、元々「あなたは挙動不審なところがあるよ」と言われていたので(笑)、妻から見たらいつも通りだったのかもしれません(笑)。

娘の誕生と遺産相続を機に、再び投資の世界へ

トウシル:FXで大失敗し、投資から離れていた時期に、冒頭で登場したお嬢さんが誕生されたんですね。

東山さん:娘が生まれたのが2009年です。証券口座には2008年にログインしなくなっていたので、その間に株価が戻っていたのかもしれませんが、私の認識としては、資産=500万円のままでした。その間に貯めた預貯金を合わせて約600万円くらいはあるんじゃないかと考えていました。

トウシル:娘さんの誕生にあたり、お金に不安はなかったのでしょうか?

東山さん:妻の妊娠がわかった時には「さすがにこれではまずい」と焦りましたよ。娘誕生の前後は、慌てて節約生活を徹底しました。当時はもう「投資なんてこの世にない」と思っていましたし、当時はデフレ基調で「銀行預金では価値が目減りする」という感覚も薄かったので、娘が3歳になる頃までは、とにかく節約して、貯蓄を増やそうと考えていました。

トウシル:投資は資産形成の選択肢から消えていたんですね。そんな東山さんが、再び投資の世界に足を踏み入れられたきっかけは何だったのでしょうか?

東山さん:2011年に亡くなった父から、数百万円分の株を相続したのがきっかけです。親からもらったものを無下にするわけにもいかないな…と思い、一度ちゃんと勉強してみよう、と投資関係の本を読み始めたのが理由の一つ。

 もう一つは、やはり娘の将来のために、もっとお金を貯めないといけないと考えるようになったことです。徹底して節約した結果、3年間で750万円ほど貯蓄できました。

 そして、寝かせていた証券口座を、勇気を振り絞って確認してみたところ、リーマンショックで4分の1程度まで落ちていた株価がけっこう戻ってきていたんです。遺産相続分の株式と、放置していた自分の株式、貯蓄分の合計が約2,000万円。将来娘に不自由させないためにも、きちんと勉強して資産を増やそう、と考えたのが、投資へ戻った一番大きな理由です。

トウシル:なるほど! 再び投資と向き合う決意をされたわけですね。後編では、そこからどのようにして2億円まで資産を築き上げられたのか、具体的な投資法や、お嬢さんへの金融教育について伺います!

FXで大損し一度退場、51歳でリストラされた私が、資産2億円を築くまで :サラリーマン投資家・東山一悟さんインタビュー後編はこちら>>>

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